恩寵マスクによせて。

先日、近所のおばさまから、とある高級生食パン専門店の食パンのお裾分けをいただきました。
何やら原料にこだわってるらしいんだが、原材料表記を見ると『砂糖』の並び位置がそこらへんの食パンとはちょっと違うような気が。すごく甘いのか?

…とか思いながら食べてみました。
まずは焼かずに生のままでとかおススメされていたんでちぎって食べてみたところ、うん確かにコリャ生食パンだね。ちゃんと焼きあがってるはずなのに生焼け感がすごい。そしてやはり甘い。薄味の菓子パンをデコったり具材入れたりせずそのまま焼いてる途中で窯出ししたみたいな生地。
その後、バター塗ってトーストしてもみたんですが、うん確かにコリャ生食パンだね!(2回目)
生で食べたときもそうだったんだけど、焼いて食べてもドライイーストの存在感がすごい。そして不自然な甘さがすべての食感を凌駕している。有塩バター塗ってるのにパンの甘さの方がぐいぐい主張してくる。これはもう食パンの形状をした作りかけの菓子パンですね。

何やら罵詈雑言めいてる食レポもどきになっちまいましたが、ワタシのような貧乏舌にはわからない美味しさだっただけで、普通の人にとっては美味しいパンなんだろうとは思います。並んでまで買ってる人がたくさんいらっしゃるわけだし。
ただ、ワタシの貧乏舌にはちょっと合わなかったようです。
本仕込とか絹艶とか近所のパン屋さんの6枚切130円の食パンでいいや。
絹艶といえば、先日買い物に出かけたときにママンから「絹さや買ってきて」ってメールもらって嫌々きぬさや買って帰ったら(さやえんどう嫌い)、『きぬさや』じゃなくて『きぬつや』だったというママンもワタシもガッカリな出来事があったっけね…。



政府が布マスクを2枚送って寄越すということはとどのつまり、マスク売り場に不織布マスクがフツーに並ぶ日はかなり遠いと察したのでしょう、早朝からのマスク行列が益々長くなっている今日この頃。北海道の朝はまだ肌寒いってのにご苦労様なことです。
しかしそれも今日までかもしれないが。
近所のドラッグストアの入口に、マスクの品出しは不定期に行うが朝一番には行わぬ! マスクに関する問い合わせにも応じぬ! という堂々の宣言が貼り出されていたからな。
国がわざわざウン百億かけて布マスク送って寄越す意味を考えたら、雨の降る肌寒い朝っぱらから身体縮こまらせて行列に並んで免疫力削るより、使い捨てのマスクは諦めて自分で作った方が確実だと思うんだけどなあ。




…というワケでワタシも、自分用マスクを増産しておりました。
ここんとこマスクばっかり作ってるな。もはやハンドメイドというより、業務とか作業とかになってきている。
国が送って寄越すという恩寵マスクがどんなマスクかはわからないが、安倍さんが着けてる給食当番マスクとか、介護施設とかに届き始めているマスクを見るに、顔面面積の広いワタシには到底用が足りない予感しかしないので、自分の顔面に合わせたマスクを量産しました。大体、1住所に2枚じゃ独居以外は洗い替えもできんし。

とりあえずの6枚。
ゴムはボルドーと黒。
Diorも白生地+黒ゴムなマスクを作ってたくらいだから、黒いゴムでもそんなにおかしくはないだろうと。(何と比べてるんだ図々しい)

とりあえずこれくらいあれば一度はずしたマスクをもう一度つけたりしなくても済みそうな感じ? 洗い替え分も考えたらもうちょっとあった方がいいのかな?

以前マスクを作ってあげた友人から追加発注をくらったので、今週末もマスク縫ってると思われます。何故か友人の知り合いも欲しがってるとかで、そのひとの分も縫います。さらに友人が立体マスクにも興味を示してきて、立体マスクも作ります。
いよいよ副業・マスク屋の様相を呈してきている。(儲けがないので業として成立していないが)

そんなマスク屋のはしくれとして(違)、勉強のために日々マスクウォッチャーと化しているワタクシですが、手作りマスクはほぼほぼ立体マスクですね。
ワタシは立体よりもプリーツの方が覆われてる感があって好きなんですが、世の人々は立体型の方がお好みなのかしら。
ワタシの場合、鼻が低いのか顔が扁平なのか、立体マスクはズレがちなんですよね。だからズレにくいように立体マスクでもアゴの下から鼻の付け根まで覆うように作ってしまってあえなく変態仮面と化すのです。
立体マスクの方が布の使用量が少ない気はするけど、変な形のハギレ出てもったいないし、何より顔の真ん中に縦線が入るのがどうも好きじゃない。
みんなは気にならないのかなあ?

…という話をママンとしていたところ、立体マスクの方が作りやすいからではないかという説が出てきました。
ワタシとしては、縫い代を割るとか曲線を縫うとかの作業が面倒で仕方がないので、プリーツの方がよほど作りやすいんですが、ママンのリサーチによると、プリーツマスクの布がガッツリ重なった部分が縫いにくいという人が多いらしい。
確かに、ガーゼとはいえ6枚くらい重なるとなかなかの手応えではあるが、ゆっくり縫っていけば何も難しいことなく縫えるはず。
手作りプリーツマスク民が増えたら、ワタシも自作布マスクをもっと気軽に使えるんだけどな。


ワタシ個人的には、今んとこ仕事に劇的な影響はないので、現時点では金もマスクもいらんのですが、いつ頃どんな感じでどんなマスクが届くのかなーという謎のわくわく感はある。
でも正直、『ちーがーうーだーろー』って言いたい気持ちももっさりある。
マスクの需給について、月に6億枚供給とか堂々と言い放つんじゃなくて、月に6億枚生産できるけど医療や介護とか必要不可欠な現場に優先して供給したいから一般市民は不織布の使い捨てマスクはしばらく諦めて、その間は自分で布マスク作って使ってくれと言ってくれればよかったのよ。それと併せてマスクの作り方や材料に使えるものなんかを広報してくれれば、ウン百億も使わなくても郵送するよりずっと早くみんなの手元に布マスクが行きわたると思うんだけど。
マスクなんて小学校の家庭科レベルの知識があれば大抵の人は作れるものなんだから。自分はオッサンだからとかじいさんだからとか不器用だからとか作り方わからないからとか言ってんのの大半は、作れないじゃなくて作らない作りたくないだと思う。
とはいえ怪我や病気とかで作れない人や、作れてもちょっと外出には使えないクオリティにしかならない人ってのもいるだろうから、市町村通して町内会にでも小遣い程度の金と材料費落としてくれれば暇な婦人会がやる気出してマスクの100枚200枚ならあっという間に作ると思うんだけどな。
実際、4月から学校再開するけど登校の際にはマスク必須とか聞いて、頼まれてもいないのに数日でウン百枚のマスク作りあげたおばちゃんたち全国にわんさかいるじゃん。
地区会館とか拠点に、マスク作る人とマスク欲しい人をつないだりできないもんかとか、空いた時間に作ったマスクをお小遣い程度で買い取ってもらって、それにちょっと乗っけたくらいのお値段でマスク欲しい人に売るとかできないもんかとか、買う人の『こういうマスクがあったらなあ』みたいな希望も一応聞いといてもらって、作れそうなら作ってみたりとか、作りがいあって楽しいだろうな。

…とか妄想が捗って仕方がない今日この頃なのでした。

日本の社会ってそういうの苦手じゃないはずだとおもってますんで。(誰ぞの消された何かの言い回しをパクっ…ゲフゲフン…引用してみました)

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4 thoughts on “恩寵マスクによせて。

  1. マスクねぇ、なかったですねぇ全然、日本行った時。来週にはマスク買えるようになりますって言ってた大臣の言葉を信じてたのに。まだ買えないのでしょう?どうもアメリカが中国から輸出されるのを経由地とか色んな所で高値で横取りしてるらしい。しかも今までマスクしてなかった欧米人もするようになりだしたから全然需要に供給が追いつかないんでしょうねー。
    手作りマスク、地域で作る人と欲しい人をつなぐっていいアイデアだと思います。そんな時こそ市のツイッターだとかLineだとかIT駆使してくれるとねー、いいんですけどね。

    1. ご無事に帰国されたようでよかったです。
      10年パスポートをまっさらなまま更新したワタシには実際の大変さは正直よくわかっていませんが、自分がその立場になったらと想像したらパニックで頭から煙噴き出しそうです。

      令和おじさんのマスク買えるようになります発言は実際のところあまり信じてなかったんですが、マスクが市場に出回らないからって、まさか布マスク送りつけて寄越すとは思ってませんでしたねハハハハハ…。
      中国製マスクは欧米諸国にお譲りして、日本はこれを機に国内生産に力を入れればいいんじゃないかと思っております。マスク大好きなくせに、安さばかり求めて正当な対価を払おうとしなかったツケが今のマスク不足なのではないかと。しかしこの期に及んでもなお1枚50円でも高いとかぬかしやがるから無理か。
      それを言い出したら布マスクなんて高すぎるかもしれないけど、作れないけど欲しいって人もいると思うんですよね。ワタシ如きでも他人用マスク月産50枚超なんだから。
      ツイとかLINEとかなら若い人に届くだろうし、お年寄りには新聞か回覧板かな。
      マスク市とか楽しいだろうなあ。…あ、人混みはダメか。コロナの野郎め。

  2. いつも楽しく読ませていただいています。
    毎回、「その通り!」とPC前で頷いていますが、今回初めてコメントさせていただきます。
    震災の時も日本中から子供用のバッグとかキルトとか集まったことを思い出すと、誰かが声をかければ、作れる人がたくさんいて、快く作ってくれると思います。
    材料もいろいろ工夫されている方もいらっしゃいますしね。布をたんまりため込んでいる人も←私も(笑)

    1. はじめましてー。
      いつも不平不満ばかり垂れ流していてスミマセン…。
      もう少し大人の分別のある穏やかなゆったりとした心持ちの人間になりたいと思っているんですが、ここ40年くらいの自分を見ているとそんな日が来る気がしません。
      これからも不平不満罵詈雑言を垂れ流すかと思われますが、広い心でスルーしていただけるとうれしいです。

      yuminさんも布を蓄えてしまうひとなのですね。うれしい。すごい親近感。
      布ってついつい手が出ちゃいますよねー。
      ワタシも永きにわたって使い買い足ししつつ、ガーゼだけじゃなくリネンやコットンをアホほどため込んでいるんですが、まさかそれらをマスクにする日が来るとは思ってませんでした。
      布をはじめとして材料すらあまり売っていない現状を見ると、ワタシはため込んでいたのではない備蓄していたのだと言ってもよいのではなかろうか。
      材料がなくてもいろんな人がいろんな知恵を出し合ってて、なるほどなーって思わされることがいっぱいで、ちょっと楽しいです。
      これまで裁縫はあまりしなかったけどマスクを作ってみたら楽しくてハマってるって人もけっこういるみたいだし、余分に作ったものを欲しい人に届けるシステムがあればいいのになあと思ってしまいました。作ったマスクの行く宛があればモチベーションも上がって楽しくステイホームできたりしないかな、とか。布をためこんだ罪悪感も消えるし…!

      えーと、はじめましてなのにしょーもないレスつけてスミマセン。
      これに懲りずにまた構ってやっていただけるとありがたく存じます…。

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